なかなかこんなに安定感のある選手を見ることはできない。長谷川穂積やヒョードルでさえ負けることがあるというのに、この男は底が知れない。
ライトフライ級からキャリアが始まり、今はスーパーウェルター級のチャンピオン。制覇した階級は実に6階級。しかも間がいくつも開いてるから実質は間にもっとたくさんの階級が入る。
今回アントニオ・マルガリートというハードパンチャーが相手の試合で、相手も3回チャンピオンになっている強豪。そして体格差も圧倒的に大きい。身長169cmと180cmそして体重差が7.7kg。もはや同じ階級ではない。
しかし試合は完全なる一人フルボッコ。KOはされないものの見るも無残な木端微塵状態になったマルガリートを、パッキャオが殴りにくそうにしているのが印象的だった。
打たれずに打つテクニック。終盤になってもスピード手数ともに全く衰えないスタミナは正直信じられない。相手のガードなどないかのようにパンチを打ち込み、コンビネーションを叩き込む姿は見ていて本当に爽快で面白い。また、派手な言動もなく、国会議員もこなし、どちらかというと気の良さそうな青年が、リングではこの強さと言うところが非常に魅力的だ。
フィリピンという国はスポーツで注目したことがあまりないが、パッキャオだけは別格。世界一のスーパースターがフィリピン出身なんて、日本人にもそういう人が出てくる日を楽しみにしたい。
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